深川めしとは?歴史やレシピ!駅弁やお店まで徹底解説

深川めし

東京の郷土料理「深川めし」を食べたことはありますか?あさりをふんだんに使った、ぜいたくな庶民の味です。実は深川めしにはいくつかの種類があります。

本記事では「深川めしとは?」を解説し、歴史や絶品駅弁、都内14店の深川めしを食べられるお店を紹介。深川めしを知って、ぜひ実際にその味わいを楽しみに行ってみてください。

深川めしとは?

「深川めし」とは、農林水産省が選ぶ郷土料理100選に選ばれた郷土料理です。

あさりの旨味たっぷりで、あさりそのものもぜいたくに乗せた絶品漁師めし

東京都の深川地域の名物であり、かつての漁師たちの知恵と工夫が凝縮された逸品です。

深川めしは3種類

深川めしは詳細にいうと3種類あり、始まりはネギと生のアサリを味噌でさっと煮て汁ごとご飯にかけたもの(ぶっかけタイプ)だとされています。

  • ぶっかけ:元来のスタイル。うま味たっぷりの汁でつゆだくになるご飯がおいしい。深川丼と呼ぶこともあります。
  • 炊き込み(炊き合わせ):炊き込みご飯にしたスタイル
  • 深川鍋:ご飯にかけることをしないスタイル

「深川めし」の元来のスタイルであるぶっかけは、ざっくりと切った葱と新鮮なあさりを味噌で煮込み、熱々のご飯にたっぷりとかけた簡単かつ豪快ないかにも“漁師めし”であることが魅力です。

深川めしの歴史

江戸時代、東京には多くの干潟があり貝類が豊富に漁れました。東京都の深川エリアは繁栄する漁師の町として知られ、江戸前の魚介類や海苔を捕る漁師たちが多く住んでいた地域です。

深川で水揚げされる高品質なあさりやカキは、深川の誇りであり名物。

「深川めし」とは、いわゆる“漁師めし”です。漁師たちの忙しい日常の中で手早く調理でき食べやすく、栄養価も高いため重宝されてきました。

またあさりの炊き込みご飯は、江戸時代から「ぬきみ」という殻から外した中身だけの貝が売られていたことから、その抜き身を使って誕生。

深川めしは地元の名物として、昭和初期までは浅草で深川めしを売る屋台が数多く存在していたそう。

その後時代の変化とともに埋め立て事業が進み、深川エリアでの漁場はなくなり一度は忘れかけられる存在に

しかしその後、その価値が再評価され、現在では東京の駅弁としても販売されています。旨みたっぷりでシンプルな味わいは、現代の人々を魅了する味です。

その味は全国の学校給食でも提供されることがあります。給食は食文化を学ぶ場として郷土料理がメニューになることもあり、そこで深川めしを知っているという人もいるのではないでしょうか。

深川めし発祥の「深川地域」ってどこ?

深川は江東区の門前仲町駅(もんぜんなかちょう駅)より北、清澄白河駅(きよすみしらかわ駅)より南のあたりのエリアです。

現在の地名では、深川1丁目、深川2丁目が深川エリアとなります。

絶品深川めしは弁当で!都内各地に売っている駅弁

深川めしの駅弁

深川めしは東京の駅弁として販売されています。価格は980円。深川めしのタイプでいうと、汁ごとかけたという感じではないため、「炊き込み」に当たるでしょう。

深川めしの駅弁

蓋を開けた途端、あさりのよい香りがふんわり!駅弁界では比較的お値段が安めのおよそ1,000円という価格で、こんなにぜいたくな味わいを楽しめるのはお得すぎます!

販売箇所は以下の通りです。

JR公式HP駅弁情報はこちら

※2023年5月時点の情報です。販売箇所や価格は変更される可能性があります。

深川めしのおいしい基本レシピ

郷土料理である深川めしを自宅で作るなら、まずは基本のレシピがよいでしょう。

以下は農林水産省が公開している、深川めしの飲食店「深川宿」のレシピ(ぶっかけタイプ)です。

材料料(1人分)

  • アサリ 100g
  • 味噌 50g
  • 炊いたご飯 1膳分
  • ネギ(粗く刻む) 適量
  • 刻み海苔 適量

作り方

  • 1. 沸騰したお湯に味噌を溶かし、アサリを入れて煮る。
  • 2. 1にネギを加えて、さっとひと煮立ちさせる。
  • 3. 器にご飯を盛り、汁ごとかける。
  • 4. 刻み海苔をのせて完成。

農林水産省公式HP”参照

深川めしを食べられる伝統の14店舗

深川めしには「深川めし振興協議会」という団体が存在し、14店の伝統的な深川めしを提供する飲食店があります。

1. 深川宿本店(ふかがわじゅくほんてん)

「深川宿 本店(ふかがわじゅくほんてん)」は農林水産省公式HPにレシピ提供をしているお店。ぶっかけタイプと炊き込みタイプ両方を提供しています。

ぶっかけ、炊き込みの両方のタイプを少しずつ食べられるセットもあるので、「両方食べてみたい」という方にぴったり!

深川江戸資料館の目の前にあります。

  • ぶっかけ
  • 炊き込み
  • 最寄駅:清澄白河

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2. 深川亭(ふかがわてい)

「深川亭」は鉄板料理や深川丼を提供しているお店。深川亭の「深川丼」は明治初期に屋台でやっていた深川亭を再現したメニュー

貝は、ばか貝やアオヤギを使用。アサリは明治初期当時、高価なものでほとんどは幕府へ献上されていたそう。街の人々に提供していたリアルな屋台めしとしての深川丼を食べることができます。

木場公園や東京都現代美術館のすぐそばにあり、公園遊びや美術館の帰りに立ち寄るのもおすすめ。

  • ぶっかけ
  • 最寄駅:清澄白河

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店舗移転前の食べログページでたくさんの写真を見られます。

3. 福佐家(ふくさや)

「福佐家(ふくさや)」のメニューは深川めし(あさり丼)と数種の佃煮。小さなお店で、数少ないメニューを突き詰めているところが魅力です。

あさり丼はぶっかけタイプ。数量が限られており、1日10食、15食、20食と複数の情報があります。

1日10〜20食限定と思っておくとよいでしょう。

  • ぶっかけ
  • 最寄駅:清澄白河

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4. 深川釜匠(ふかがわかましょう)

「深川釜匠(ふかがわかましょう)」では、ぶっかけと炊き込みの両タイプを食べることができます。

深川釜匠のぶっかけタイプの「深川丼」は、たまごが2つも乗っているぜいたく感も魅力。

炊き込みタイプの「深川めし」はテイクアウトもできるので、近場の大型公園「木場公園」でピクニックランチにするのもおすすめです。

  • ぶっかけ
  • 炊き込み
  • 最寄駅:清澄白河

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5. 長寿庵 蕎匠 (ちょうじゅあんきょうしょう)

「長寿庵 蕎匠(ちょうじゅあんきょうしょう)」の深川めしは、蕎麦つゆであさりをサッと煮込んだ蕎麦屋の深川めし

そばとセットで深川めしを堪能でき、ダブルで楽しめるのが魅力です。

  • ぶっかけ
  • 最寄駅:清澄白河

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6. 天ぷら 片山(てんぷらかたやま)

「天ぷら 片山(てんぷらかたやま)」の深川めしは、天ぷら屋さんの深川めし!

2種類の深川めしがあり、とくに特徴的なのは「あさりあんかけ丼」という名の個性派深川めし

あさりのうま味がたっぷり詰まっていて、食べ出したらあっという間に完食してしまう逸品です。

  • オリジナル(ぶっかけ)
  • オリジナル(あんかけ)
  • 最寄駅:清澄白河

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7. 深川めし八郎右衛門(ふかがわめしはちろうえもん)

「深川めし八郎右衛門(ふかがわめしはちろうえもん)」の深川めしは、蒸籠(せいろ)で調理されます。

注文後に高温高圧で蒸しあげられたふっくら熱々の深川めしは、目にも楽しく特別なひとときを演出。

たっぷりと乗ったアオサがおいしく、さらに食欲をそそります。

  • オリジナル(炊き込み)
  • 最寄駅:木場駅

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8. 深川姉御家(ふかがわあねごや)

深川生まれの4代目女将が切り盛りする「深川姉御家(ふかがわあねごや)」は、酒肴が充実した居酒屋。

深川姐御家の深川めしは、殻付きアサリ、豆腐、ねぎを5種の味噌で煮込んだぶっかけタイプの深川めしです。

うま味の効いた汁をたっぷりと味わえるのが魅力です。「たっぷり食べたい」という方におすすめ。

  • オリジナル(ぶっかけ)
  • 最寄駅:門前仲町

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9. 深川伊勢屋(ふかがわいせや)

「深川伊勢屋(ふかがわいせや)」は和菓子と惣菜のお店。お店的には和菓子がメインのようですが、惣菜や深川めしに惹かれて来店する人が多いようです。

深川伊勢屋の深川めしは、1品で炊き込みタイプとぶっかけタイプが食べられる1メニュー2役の一品。

まずはそのまま「炊き込み」スタイルで、途中からは好みで味噌汁やお茶をかけて「ぶっかけ」スタイルで楽しむことができます。

  • ぶっかけ
  • 炊き込み
  • 最寄駅:門前仲町

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10. すし三ツ木(すしみつぎ)

「すし三ツ木(すしみつぎ)」はその名の通り、お寿司屋さん。

煮浸しあさりと酢飯で作られた、お寿司屋さんの深川めしが食べられます。

うま味たっぷりでありながらさっぱりと食べられる絶品の深川めしです。

  • 炊き込み
  • 最寄駅:門前仲町

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11. 門前茶屋(もんぜんちゃや)

「門前茶屋(もんぜんちゃや)」はたびたびメディアに登場するお店。

四角い蒸籠で炊いた、炊き込み式の深川めしを食べられます。

店内はおしゃれで高級感のある木目調の内装で、デートにもぴったり。とくに2階は総欅(けやき)造りになっており、内装も見ものです。

  • オリジナル(炊き込み)
  • 最寄駅:門前仲町

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12. 深川宿 富岡八幡店(ふかがわじゅくとみおかはちまんてん)

「深川宿 富岡八幡店(ふかがわじゅくとみおかはちまんてん)」は冒頭に紹介した「深川宿 本店(ふかがわじゅくほんてん)」の別店舗で、門前仲町にある富岡八幡宮へと向かう参道沿いにあります。

深川めしは本店と同様、ぶっかけタイプと炊き込みタイプの両方を食べることが可能です。

富岡八幡宮への参拝、参道の散歩、そして深川めしを楽しむというプランで訪れてはいかがでしょうか。

  • ぶっかけ
  • 炊き込み
  • 最寄駅:門前仲町

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13. 割烹 みや古(かっぽうみやこ)

「割烹 みや古(かっぽうみやこ)」は割烹というだけあって、店舗外観、内装共に古くからある割烹料理店の雰囲気が漂います。

もともと天ぷら屋からスタートしたみや古は、1924年創業。ぶっかけ形式だった深川めしの新たな様式として、炊き込むスタイルの深川めしをはじめたのがこのみや古だとされています。

現在でも調理スタイルは、伝統的な炊き込み方法である蒸籠を用いた調理で提供されています。天ぷらの老舗店でもあるので、ぜひ天ぷらと一緒に食べてみてください。

  • 炊き込み
  • 最寄駅:森下

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14. 深川一穂(ふかがわいっすい)

「深川一穂(ふかがわいっすい)」の深川めしはぶっかけタイプ。

あさりと味噌のうま味がしっかりと効いた汁は、どこか懐かしい味。気取りすぎず、しっかりおいしく、定期的に食べたくなる一品です。

しかもなんと、ランチでは700円ほどで深川めしを食べることができます。毎日通いたくなるような親しみを持てるお店なのも魅力の一つです。

  • 炊き込み
  • 最寄駅:木場

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味わい深い深川めしを堪能しよう!

深川めしの駅弁

深川めしとは?というところから、歴史、レシピ、駅弁、深川めしを食べられるお店まで紹介しました。

大都会東京にあまり郷土料理のイメージがなかった方もいるかと思います。ぜひ絶品深川めしを食べながら江戸時代の文化に思いを馳せ、周りの人へも広めてみてください。

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